T^3Japan第20回年会 プログラム詳細

2016年8月27日〜28日  東京理科大学・神楽坂キャンパス

共催:東京理科大学数学教育研究会

                       

 

月 27日(土)

 

A-1

渡辺 信(生涯学習数学研究所)    三角形の分類

重心・外心・内心の位置関係でサンナク系を分類した時どのようなことがわかるかを具体的に視覚からもんだいをみつける。三点が一致する三角形は正三角形,三点が直線上に乗るとき2等辺三角形,三点が作る三角形を見て外側について検討する。
                                                                                                                      [Workshop,初心者]

A-2

勢子公男(東京理科大学)    小学校でも電卓を使ってみたら?!―TI-15の使用を考える(2)―

日本の算数数学教育では,計算=数学とみなされる計算中心の教育が多くを占めているように思われる。しかし多くの先生方から、生徒が分数や小数の計算をなかなか思うようにできずに多くの時間がかかってしまったり、これらの計算に躓きその先の学習がスムーズに進めなかったりする傾向を耳にすることがある。これは、計算練習に取り組む時間不足やその機会不足が一因とも思われるが、分数小数そのものの理解不足やその学習に対するモチベーション不足もあるのではないだろうか。ここでは昨年度に引き続き、分数や小数の関係などを調べる中で、小学校で利用しても便利なTI-15を使った電卓使用を考えたいと思います。

 [上記以外, Workshop,両者対応]

A-3

中村好則(岩手大学教育学部)     関数指導のためのSphero SPRKとLabQuest2を活用した教材の可能性

全国学力学習状況調査の結果から,関数指導においてはグラフの読み取りや解釈に課題があることが指摘されている。本研究では,これらの課題を改善するために,Sphero SPRK EdtionロボットとLabQuest2を活用した教材を開発し,指導事例を提案するとともに,その可能性を検討した。

                                          [数量関係,発表形式,両者対応]

A-4

松木貴司(北海道教育大学函館校)        海峡トンネル内の圧力波と伝導度量子化現象の観測

身のまわりの日常現象や極微小な世界でおきる現象の観測にLabQuest2を使った成果を報告する.海面下240mの最深部のある青函トンネルを走行中の列車内における気圧や青函トンネル前後の海峡線にある複数のトンネル内を列車が移動中の気圧を測定した.青函トンネル内を走行中の列車内の気圧変化のみならず,列車がトンネルに突入するときに発生する圧力波(耳がツンとなる原因)を観測した.直流回路内にある接触中の二本の極細金線(直径0.025mm)が離れたり接触したときに,回路内の抵抗器の電圧が離散的変化(伝導度量子化現象による)を示すことを観測した.

[物理,物理教育,発表形式,両者対応]

B-1

坂井仁美・中谷亮子 (金沢工業高等専門学校)   

グラフ電卓とデータ収集機を使った機械工学科での授業実践報告      −データ収集と利用法−

機械工学科において、データ収集・解析といった活動を取り入れた授業の実践報告を行う。また、同じ実験セットでできるいろいろな実験の紹介を実践事例も交えて行う。当日は、距離センサーを用いたデータの収集方法を実際にグラフ電卓に触れながら進めます。(初めてグラフ電卓に触られる方でも安心してご参加ください。)

[数学と科学の融合,数学教育,物理教育,Workshop,初心者]

B-2

中澤房紀(Naoco Inc. /東日本国際大学)   数学T「データの分析」〜多面的・視角的にデータを捉える〜

2016年センター試験「データの分析」の問題は,私が大学の文系学生に出題する小テストとほとんど同じでした。計算をして値を求めて終わりではなく,代表値,箱ひげ図,ヒストグラム,散布図,相関係数などが有機的に結びつくようにすべきです。TI-Nspireの統計機能は知識の獲得過程で使える機能が多くそろっています。一緒に操作しながら授業のイメージを作っていきたいと思います。

[数学T,Workshop,両者対応]

B-3

堀尾直史 (熊本大学大学院/玉名市立玉南中学校)   1÷9801の規則性をWolfram Alphaで 〜教師が使いたくなる,「生徒が考えるようになる,数学教育を生かすテクノロジー利用教材」開発〜

記念すべき第20回T^3 Japan年会.第1回を知る者の一人として,感慨深い.老若男女がスマートフォンやタブレット,携帯電話を持ち歩き,電子メールを利用するのが当たり前の世の中となった.目に見えないところも含め,テクノロジーと関わりを持たずに生きていくのが難しい.学校では電子黒板やプロジェクタ,コンピュータ,タブレットなど機材の配置が進んでいるにもかかわらず,テクノロジー利用教育は広がっていない.「生徒が考えるようになる,数学教育を生かすテクノロジー利用教材」を提案する.

 [数量関係,図形関係,Workshop,両者対応]

B-4

杉山真澄(大学非常勤講師)    身近にある不等式の世界

不等式は、なんとなくよくわからないし不得意であったり、で人気の無い分野です。ところが若い人からお年を召した方までほとんどの人がその不等式で成り立つ世界にそれと知らずに身を置き、自在に使いこなしているのです。他にも華麗なる世界をひろげている例をご覧にいれます。

      [数学と科学の融合,発表形式,両者対応]

C-1

五十嵐聡(東京理科大学大学院)  電子黒板とグラフ電卓とデジタル教科書を用いた指導法の検討(代数編)

電子黒板とグラフ電卓とデジタル教科書を用いた「代数」の指導法を提案する。

[数学A,発表形式,両者対応]

C-2 鶴丸小太郎(東京理科大学大学院)     グラフ電卓を用いた箱の体積を求める問題の指導の検討

箱の体積を求める問題において、グラフ電卓を用いて視覚化することにより底面と体積の関係を明確にし、体積の最大値を求める上での理解の定着と視覚的な理解を目的として指導法の検討とする。

 [図形関係,数学T,発表形式, 両者対応]

C-3

石川理雄    最速降下線 (Brachistochrone) 問題

1696年,Johann Bernoulli は「最速降下線問題」を提起した.この問題は,変分法の発展に貢献した.最速降下線は,サイクロイドであり,紙と鉛筆で,問題を解決することはできる.しかし,解を求めることはできてもいまいち実感がわかないので,テクノロジーを活用してビジュアル化した.

[数学と科学の融合,微分積分,物理,発表形式,両者対応]

C-4

近藤 恵(東京理科大学大学院)   グラフ電卓を用いた分数の加法を視覚的に理解できる教材の検討

分数の加法において,分母同士も足してしまうことは最も多い間違えの一つである.そもそも,なぜ分母同士を加えてはいけないのか,なぜ通分をしなくてはならないのか,きちんと理解できていない児童・生徒も多いと考えられる.そこで,グラフ電卓を用いた,児童・生徒が分数の加法の演算と通分の意味を視覚的に理解できるような教材について考察し,指導法を検討した.

[数量関係,発表形式,両者対応]

C-5

片岡 啓(和歌山大学教育学部)    立体図形とテクノロジー

子どもたちの立体図形への理解に課題があることはしばしば話題になります。平面図形を含めた概念的な知識と手作業を往復することで少しでも改善できないか,テクノロジーの出番はどこか,考えてみたいと思います。

[図形関係,発表形式,両者対応]

C-6

峯下及太(東京理科大学大学院)   

電子黒板とグラフ電卓とデジタル教科書を用いた指導法の検討 (関数編)

電子黒板とグラフ電卓とデジタル教科書を用いた「二次関数」の指導法を提案する。

[数学T,数学教育,発表形式,両者対応]

   

 

第12回 関数グラフアート全国コンテスト  作品発表と表彰式

 

生徒が関数を使って描いた作品についてプレゼンテーションを行います。


主催:関数グラフアートコンテスト運営委員会 事務局 (福井工業高等専門学校)

月 28日(日)

A-1

坪川武弘,柳原祐治,井之上和代,山田哲也,相場大佑 (福井工業高等専門学校 数学科・応用数学科)

グラフ電卓初心者講座 (1)

グ恒例の初心者講座です。電卓のスイッチONから始めます。数式処理とグラフ描画ができるようになります。生徒になったつもりでご一緒にどうぞ。

 [Workshop,初心者]

A-2

坪川武弘,柳原祐治,井之上和代,山田哲也,相場大佑 (福井工業高等専門学校 数学科・応用数学科)

グラフ電卓初心者講座 (2)

恒例の初心者講座です。電卓のスイッチONから始めます。距離センサーと電卓をつないで時間と距離のグラフを作ってみましょう。これはいろいろ遊べます。

[Workshop,初心者,両者対応]

A-3

長水壽寛(福井工業高等専門学校 数学科・応用数学科)         グラフ電卓初心者講座 (教材編)

グラフ電卓初心者講座から少し進んで,教材の具体例と利用に関して紹介します。実際の授業に役に立つものを取り上げます。

 [Workshop,両者対応]

A-4

藤田貢崇(法政大学経済学部物理学研究室)       LabQuest2 を活用した文系学生に対する実験授業(2)

法政大学経済学部では,2016年度から教養教育科目に「自然科学特講」を設置し,自然科学系科目(物理・化学・生物・心理学)の実験を主とした講義科目を実施した。8割以上が文系となる学生構成の中で,初年度となる今年は物理学実験と心理学実験の組み合わせで実施したので、その状況について報告し、LabQuest2の活用事例を報告する。

 [物理,発表形式,初心者]

A-5

岸菜々美(アオバジャパン・インターナショナルスクール)     LabQuest2を使ったデータ収集とデータの分析

Vernier LabQuest2を活用した、中学高校での理科実験を検討します。LabQuest2でアドホックネットワークを構築し、タブレット等とWi-Fi接続をすることで、その場で参加者の皆さまとデータを共有したいと思います。ご参加の際は括弧内の最新のWeb Browserの入ったiPad(Safari),Android Tablet(Chrome),PC(Chrome,Safari,Internet Explorer),スマートフォンなどをご持参ください。グル―プ単位でデータを共有することによる協同作業,レポートの作成,このような環境下での先生の役割など,理数教育におけるICTの活用を一緒に考えたいと思います。

[数学と科学の融合,Workshop,両者対応]

A-6

半田 真 (東京女学館中学校・高等学校)      iPadとデータ収集機LabQuest2を利用した教材の検討

昨年の発表に引き続き,iPadとデータ収集機LabQuest2を利用して高校生向けにどのような教材が考えられるか検討していきます.フロアーからのご意見もお願いします。

[数学T,数学U,数学V,数学A,数学B,Workshop, 初心者]

B-1

高橋 正(甲南大学知能情報学部)  テクノロジーを用いた有効で不完全な証明の意義について

ソフトウェア(グラフ電卓を含む)を用いた証明は、ポリアの「いかにして問題を解くか」において示している有効で不完全な証明である。現在の数学教育においては、この有効で不完全な証明を完全な証明にするための教育力が足りない。テクノロジーは道具であり、道具を効果的に用いる指導法は、多くの教師が試みてきたが、未だに定着していない。その一因は、テクノロジーを用いて行う数学教育の方法論と育成したい能力のギャップを正確に認識できていないことにある。テクノロジーを用いた数学教育の本質的な価値を再認識し、そのうえで、今後の研究として目指す方向を明らかにする。

 [数学教育,発表形式,両者対応]

B-2

馬場博史(関西学院千里国際中等部高等部)    電卓必須の国際バカロレア数学

国際バカロレアディプロマプログラム(高2-3対象)の数学から,今回はベクトルの問題を紹介します.

 [数学B,発表形式,両者対応]

B-3

中込雄治 (宮城学院女子大学教育学部教育学科児童教育専攻)   「特殊と一般の関係」と図形ソフト

小学校や中学校の算数・数学の図形分野において扱われている内容の中には,「特殊と一般の関係」が見出されるものが多くあります.例えば長方形の面積を二等分する直線を考えた場合,「対角線」や「向かい合う辺の中点を結んだ直線」などの「特殊な場合」と,「2本の対角線の交点を通る任意の直線」のような「一般の場合」があります.こうした「特殊と一般の関係」を把握しようとするときに,図形ソフトが効果的な役割を果たします.図形ソフトを活用した事例をもとにしながら,子どもの算数・数学に対する捉え方がより豊かになるような教材開発を検討します.

[図形関係,発表形式,初心者]

B-4 小森恒雄(Naoco Inc.)  線型代数学の学習にTI-Nspire CASを利用−行列はHandheldを使って計算−

大学理系や高専で履修する線型代数学の行列・行列式は大変大切です。行列の計算は1回は紙と鉛筆で計算することが必要です。が,理屈が分かればその後はTI-Nspire CX CAS Handheldを使って計算し,より高い段階に進めます。本セッションでは,TI-Nspire CASに格納された行列の関数・命令,行列Aのときのcos(A)の値などを紹介します。

 [線形代数,Workshop,両者対応]

B-5

勢子公男(東京理科大学)   TI-Nspire CX CAS でベクトルと行列を! ―その3―

数学を指導するときその指導を深めるには、直接の指導方法を研鑽するばかりでなく、数学理論を深めることも重要である。数学理論を考えると、微分積分と線形代数の理論が両輪となることは明らかであろう。その中で線形代数は抽象的な理論を扱うために必須であるが、同時に具体的な計算を通した理解も重要である。しかし、その計算は手計算でやろうとすると、かなり煩雑で根気のいるものになってくる。その計算の困難さは,TI-Nspire CX CASである程度は解決できるであると考えている。今回も「理論は人間が、計算は電卓で」の方針のもと、ベクトルと行列の計算を扱いたいと思います。

 [線形代数,Workshop,両者対応]

B-6

吉田朱里(東京理科大学大学院)  電子黒板とグラフ電卓とデジタル教科書を用いた指導法の検討(統計編)

電子黒板とグラフ電卓とデジタル黒板を用いた「データの相関」の指導法を提案する。

[数学T,発表形式,経験者]

C-1

河合伸昭(岡山県立岡山南高校)
対数の導入−受験に指数・対数の必要のない専門高校(商業・家庭)の生徒への授業−

受験に数学を必要としない専門高校の生徒に、無味乾燥な公式の暗記と適用だけになりがちな指数・対数分野をどのように教えるか。昨今、アクティブラーニングやICTの活用が盛んにいわれているが、それはT3での当初からの理念であり、十数年にわたって実践されてきたことである。グラフ電卓を用い、対数表を生徒の手作りで作製する。それから計算尺の原理を理解し、実際に使ってみる。10年以上前の実践であるが、いまでも生徒が、専門高校の受験に指数も対数も必要ない生徒が生き生きと取り組んでいる。アクティブラーニングや協同学習に取り組んでいる先生方にも参考にしていただきたい。

 [数学U,Workshop,両者対応]

C-2

堀尾直史(熊本大学大学院/玉名市立玉南中学校)  

初心者の動的幾何ソフトウェア,グラフ電卓+距離センサー

(概要は27日B-3参照)
C-3

郷原惇平(東京理科大学大学院)  グラフ電卓を用いた数学活用の指導−グラフ理論に焦点をあてた教材−

グラフ電卓を用いてグラフ理論の教材を作成し, 数学活用を通してその社会的有用性を実感させる指導法について検討する.

[その他,発表形式,両者対応]

C-4

芹澤治彦 (福島県矢祭町立矢祭中学校)   はじめてのグラフ電卓の授業

初めて中学校3学年の授業でグラフ電卓を使用した実践例を紹介します。

[数量関係,発表形式,初心者]

C-5

澤田友和(東京理科大学大学院)   グラフ電卓を用いた弧度法の指導

度数法と異なる定義で角度を表す弧度法について,グラフ電卓を用いて視覚化することにより生徒の理解を深める.

 [数学U,発表形式,両者対応]

C-6

本橋智海(東京理科大学大学院) 

グラフ電卓を用いた有理数と無理数の関係について視覚的に理解する授業の検討

現在の学校教育において、無理数は分数の形で表すことができないもの、とされており、その少数での値を視覚的に確認し、有理数との関係性を考える機会は少ない。
そこで、グラフ電卓を用い、生徒が有理数と無理数の関係について論理的に思考し、視覚的に理解できるような授業実践について考察・検討した。

[数学T,発表形式,両者対応]]

 

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