T^3Japan第22回年会 プログラム詳細

2018年8月25日〜26日  東京理科大学・神楽坂キャンパス

共催:東京理科大学 教育支援機構理数教育センター

                       

 

月 25日(土)

講演

「ドミニカ共和国の数学教育事情と米国の大学教科書」

 秋山 仁 (東京理科大学 教授)

      (東京理科大学教育支援機構理数教育センター長)

   
A-1

上床孝樹(愛媛大学附属高等学校)  距離センサーを用いた課題学習 〜単振り子運動実験を通して〜

高校1年生を対象とした数学の授業の実践報告である。グラフ電卓と距離センサーを用い、単振り子運動をデータ収集し分析を行った。高校数学において単振り子運動の分析は、三角関数のグラフの学習時に理解を深める上で適当な題材であると考える。今回は基礎学力の獲得に精を出す本校の高校1年生に、実データの収集を体感させたいという思いで単振り子運動と2次関数を関連させた授業展開となった。課題学習の一例として紹介させていただきたい。

[数量と図形の融合,数学T,数学と科学の融合,発表形式,初心者]

A-2

勢子公男(東京理科大学)   三角形と円についての定理 −九点円とシムソンの定理から−

三角形と円に関する九点円とシムソンの定理は、それ自体不思議でもあり面白いものでもある。生徒にとっても、興味が持てる定理であると思われる。ここでは、これらの定理をさらに楽しんで見ようと思う。何かしら図形学習に役に立てば幸いである。

[図形関係,数学A,発表形式,初心者]

A-3

中山 淳(同志社中学校)   カタツムリ型ロボットを使っての関数の導入のあれこれ

数 カタツムリ型ロボット(ライントレーサー)を使っての初めて関数を学ぶ中学生に行った授業の一つを発表+体験していただけたらと思います。中学校での関数の授業では、次の3つを大事にしています。
1. 対応表   2. 式   3. グラフ
この3つをそれぞれ行き来できるようになることを目標としています。ロボットを使ったこの授業は人気があり、今回は授業でやったのにプラスした実践も試みできたらと思います。

[数量関係, Workshop,初心者]

A-4

保科 元(山形県庄内町立余目中学校)   これからの数学の授業はどうあるべきか

先 思考力・判断力・表現力が大事だと言われている。答えのない課題に対し、自ら考え、自分なりの答えを見出し、相手を納得させるプレゼン力も必要だと言われている。とするならば、このような力を育めるような授業を仕組んでいく必要がある。しかし現実はどうか。旧態依然とした教師主導の詰め込み授業が目立っている。高校入試対応の授業が主流になっている。高校入試が変わらない限り授業改善は進まないのだろうか。皆さんのご意見・実践をお聞かせ下さい。

 [発表形式,両者対応]

A-5

勢子公男(東京理科大学)  中学校における数学の初期指導の試み −TI-30XB MultiViewを利用して−

原因は様々であろうが、日本では数学学習に電卓が利用されることに抵抗があり、まだまだ一般的でないように思われる。そこで、ここでは気軽に使える関数電卓TI-30XB MultiViewを数学の指導に利用することを検討してみたいと思う。操作は意外と簡単で便利である。参加された先生方と一緒に楽しみながら検討できたらと思う。

 [数量関係,Workshop,初心者]

B-1

中澤房紀(Naoco Inc.,鶴見大学) 小森恒雄(Naoco Inc.)   データ収集を体験する

無償のデータ収集用ソフト・アプリ(Graphical Analysis)とBluetooth接続できるセンサで、データ収集が容易にできるようになりました。Graphical Analysisは、Windowsパソコン, Mac, iOS Devices(iPad, iPhoneなど), Android Devices, Chromebookなどに日本語で対応しており、理科でも数学でも使用できます。

ここでは、歩いてグラフを描く、センサ・カートを使った運動のデータ、単振り子のデータ、温度の冷めるデータ、光合成のデータなどをグループ単位で実際に収集します。

 [数学と科学の融合,物理,生物, Workshop,両者対応]

B-2

小森恒雄(Naoco Inc.)    空気抵抗 −Go Direct距離センサを使って−

物理の自由落下問題では,空気抵抗は無視するという条件が付くのが一般的です。しかし,実際には空気抵抗により物体の落下速度は一定になるのが普通です。本セッションでは,紙の容器を自由落下させて一定になった速度(終端速度といいます)のデータを収集し,それが重さとどんな関係にあるかを調べます。空気抵抗は速度に比例する?

[物理,物理教育,Workshop,両者対応]

B-3

 藤井一正((公財)日本数学検定協会・皇學館大学・大阪産業大学)

距離センサー「Go Direct® Motion Detector」を利用した関数への導入授業

今年度、最新の距離センサー「Go Direct® Motion Detector」を利用をして「数学科教育法」の授業(中学高校免許取得に必修の講義)を実施しています。長年使用してきた「CBR」等との違い・可能性及び、実践報告をします。

[数量関係,数学と科学の融合,数学T,数学教育,物理教育,Workshop,両者対応]

B-4

中澤房紀(Naoco Inc.,鶴見大学)      国際バカロレア(IB)で使うグラフ電卓の機能

文部科学省のWebで公開されている資料、IB機構が実施したWorkshopの資料や過去のIBの試験問題から、主に確率分布、回帰式、金融数学などを扱います。

[その他,Workshop,両者対応]

C-1

河合伸昭(岡山県立岡山南高校)          パスカルとベルヌーイと数列の和

パスカルについては、二項展開とパスカルの三角形、そして組み合わせnCrとの関係など、数学教育でもいろいろと取り上げられてきました。ベルヌーイ家については、数学者を多く生み出した家系であるということは知られていますが、高校程度の数学では余り触れられていないようです。ここでは数列の和に現れる係数、ベルヌーイ数をパスカルの三角形・組み合わせnCrから、グラフ電卓を活用し、アクティブラーニングとして、体験的に求めるという構成を試みました。

[数学T,数学U,Workshop,両者対応]

C-2

河合伸昭(岡山県立岡山南高校)        アクティブラーニング「eの導入」

「eの導入」を初めて、このT3で発表したのは十数年前になります。最近、アクティブラーニングが叫ばれるようになっていますが、高校数学Vでの教材例は少ないようです。唐突で天下り的な印象を受ける「eの導入」について、いくつかの直感的で、数学がそう得意でない理系の生徒にも納得できるようなアプローチを提示していければと考えています。

 [数学V,Workshop,両者対応]

C-3

坪川武弘,柳原祐治,井之上和代,山田哲也,相場大佑 

(福井工業高等専門学校 数学科・応用数学科)

グラフ電卓初心者講座 (2)データ収集と処理

グラフ電卓を初めて触る方,あまり使ってこなかった方のための講習講座です.毎年恒例ですが,最初の1歩をここから始めてください.
(2)では,距離センサーを用いて外部データを取り込んで電卓で解析する方法を扱います.

[数量関係,数学T,U,A,B,数学と科学の融合,物理,微分積分, Workshop,初心者]

   

 

第14回 関数グラフアート全国コンテスト  作品発表と表彰式

 

生徒が関数を使って描いた作品についてプレゼンテーションを行います。


主催:関数グラフアートコンテスト運営委員会 事務局 (福井工業高等専門学校)

月 26日(日)

A-1

阿蘇和寿(石川工業高等専門学校)      円からの出発

円の媒介変数表示を考えることから,三角関数のグラフを理解させ,さらに,式の変化が媒介変数表示された図形にどのような影響を与えるかを生徒に考えてもらう授業を行う。グラフ電卓をこれから使ってみたいと思っている先生たち,生徒に与える課題を探している先生たちを対象として,電卓の操作から説明していく。

[数学U,Workshop,両者対応]

A-2

坪川武弘(福井工業高等専門学校)     行列で遊んでみよう

グラフ電卓の中には行列を扱う機能がたくさんあります.LU分解やQR分解は有名ですが,授業の場面で利用することは少ないかもしれません.でもとても面白いものです.いっしょに遊んでみましょう.

[数学T,U,V,A,B,C,数学と科学の融合,線形代数,Workshop,両者対応]

A-3

坪川武弘(福井工業高等専門学校)         オーストラリアの入試問題に挑戦

ビィクトリア州の高校卒業時の学力試験 (大学入試用試験を兼ねる) はCAS機能付のグラフ電卓などの利用を前提としています.問題はかなり難しいものもありますが,ローカルな話題も取り入れた面白いものです.TI-nspireを利用して一緒に解いて見ましょう.

 [数学T,U,V,A,B,C,数学と科学の融合,Workshop,両者対応]

A-4

原 健太郎(埼玉県立狭山緑陽高等学校)

データ収集機LabQuest 2とWi-Fiモバイル端末を連携させた教材の検討

LabQuest2とタブレットやスマートフォンなどのモバイル端末を接続し、いろいろなデータ収集を実践してみたいと思います。その上で、参加者の皆さんとで教材の作成や活用方法について意見交換をしたいと思います。

[数学と科学の融合,その他,Workshop,初心者]

B-1

坪川武弘, 柳原祐治, 井之上和代, 山田哲也, 相場大佑
(福井工業高等専門学校 数学科・応用数学科)
グラフ電卓初心者講座 (1)数式処理とグラフ描画

グラフ電卓を初めて触る方,あまり使ってこなかった方のための講習講座です.毎年恒例ですが,最初の1歩をここから始めてください.
(1)では,数式処理を用いた捜査からグラフの描画ができるまでをいっしょに行います.

[数量関係,数学T,U,A,B,数学と科学の融合,物理,微分積分, Workshop,初心者]

B-2

中澤房紀(Naoco Inc. ,鶴見大学)       データから出発する数学 〜三角関数〜

単振り子のデータを収集してモデリングです。AsinB(x+C)+D。さてデータからA,B,C,Dをどのように求めるのでしょう。またそれらはどのような意味を持っているのでしょう。モデリングの後で、Aについてより深く考察します。データの収集は以前に比べると容易になってきました。今回はBluetooth接続でデータを収集する,それをいつも使っているデバイスで解析する方法を検討します。

[数学と科学の融合,Workshop,両者対応]

B-3

半田 真(東京女学館中学校・高等学校) 距離センサーを用いた教材作成−歩いてグラフをえがく授業−

距離センサーを用いて,歩いてグラフをえがく教材について,参加者の皆さんと実演しながら授業での活用方法を検討したいと思います.

[数学T,U,数学と科学の融合,物理,Workshop,初心者]

B-4

中澤房紀(Naoco Inc.,鶴見大学)     データから出発する数学〜微分方程式の導入〜

温度の冷めるデータを収集してモデリングです。微分方程式の導入で使えるものです。この過程で比例、指数関数e^xを扱います。

[微分積分,Workshop,両者対応]

C-1

徳永 徹,佐々木健治(久留米大学附設高等学校)

Cabri3Dを利用して空間図形を描写する〜大学入試問題を題材として〜

大学入試や高校入試に出題される空間図形の中には、その形がイメージしにくいものが散見される。それらの図形を、3Dソフトを用いて高2の生徒たちに描画してもらい、縦横に回転させることでその図形のイメージをつかんでもらうことにした。今回は描画の手順をあらかじめ示しておいたが、描画するための手順を考えることがその図形の理解を深めることにもなる。時間の余裕があれば、そのような指導もしてみたい。

 [数学V,発表形式,両者対応]

C-2

中込雄治 (宮城学院女子大学教育学部)      深い学びにつながる算数・数学教材の開発と図形ソフト

いま「深い学び」が注目されていますが,小学校算数と中学校数学において,図形ソフトなどをどのような場面でどのように使えば子どもたちの深い学びにつながるのか,そうした観点で算数・数学教材の開発を考察します.

[図形関係,発表形式,初心者]

C-3

勢子公男(東京理科大学)     中学校における数学の初期指導の試み−TI-Nspire CX CASを利用して−

中学生が特に苦手とすることに、値の代入・文字式・方程式・グラフがある。それぞれが意味を持ち、同時に深く結びついている。この理解が、中学校での数学学習には大切であることは言うまでもない。半面、ここで躓くと数学嫌いになったりこの後の学習理解に困難を生じたりすることになる。ここでは、TI-Nspire CX CASを利用するとどのような指導ができるのか、参加された先生方と検討してみたいと思う。使用する機能は、本当に基本的な事だけを使います。

[数量関係,Workshop,初心者]

C-4

渡辺 信(生涯学習数学研究所)           Dynamic Geometryに対してDynamic Algebraはある?

幾何では図形を動かすことによって新しい問題を発見解決できるDynamic Geometryが方法論として確立した。これに対してDynamic Algebraという言葉は聴かない。そこで今回はDynamic GeometryとDynamic Algebraについての例をつくり数学の発見のおもしろさを考える。Dynamic Geometryに対しては三角形の内角の和が180°の応用を考え、Dynamic Algebraでは放物線の頂点の軌跡を考える。数学教育の目標は「考える」ことであり、Technologyはその補助的は役割として有効である。

 [数量関係,図形関係,数学T,発表形式,初心者]

 

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