T^3Japan第23回年会 プログラム詳細

2019年8月24日〜25日  東京理科大学・神楽坂キャンパス

共催:東京理科大学 教育支援機構理数教育センター

                       

 

月 24日(土)

講演

231

教室

 

タイトル:『ひと粒の種が木となり、森となり山河を埋め尽くす』

概要:「小さな気付きや疑問が定理になり、たくさんの定理が理論体系を構築する。

   そして、その理論が思いも及ばなかった他の理論体系とリンクし生成し、

   それらが応用につながる。この様を実況中継する。」

 

 秋山 仁 (東京理科大学 教授)(東京理科大学特任副学長)

      (東京理科大学教育支援機構理数教育センター長)

   
A-1

勢子公男(東京理科大学)

現在とこれからのTechnology事情を考える −日本の数学教育はICTで変わる? 変わらない?−

本年度から新学習指導要領が本格的に実施されている。地球規模での情報化グローバル化の時代に対応する教育指針である。しかし、教育の現実はどうなんだろうか。数学の学習には直接的な事ではないのかもしてないが、どうしても考えざるを得ない。テーマが不明確で曖昧な部分もあるが、これからの数学教育を考える上で大切であると考えている。参加された先生方と意見交換ができれば嬉しい限りである。

[数学教育,発表形式,両者対応]

A-2

高橋 正(甲南大学)

TI-Nspireで完全な証明は可能か?

TI-Nspire webpage では、以下のメッセージが書かれている。「この幾何ソフトの最大の特長は,関係を保ったまま動くことです。生徒は図を描き,動かし,推測し,という活動の繰り返しの中で,自分で規則性を探し出すでしょう。それを証明するのは,自分自身 です。それが数学することですから。」つまり、証明は、人間のすることとされている。このことに挑戦した研究に、宮寺と福井の研究「数式処理システムと組合せ論」でのTI-BASIC を用いた証明の試みがある。TI-Nspire で、完全な証明は可能か?今回の発表では、このことに焦点を当てて考察する。

[発表形式,両者対応]

A-3

小森恒雄(Naoco Inc.

新製品TI-Nspire CXU& TI-Nspire CX CASUの紹介

今年3月,TI-Nspireシリーズのアップグレード商品TI-Nspire CXU& TI-Nspire CX CASUが発表されました。この新製品のGraphing Calculatorは,従来製品より2.5倍高速になり,STEMの要求に対して対応性を向上させたものになっています。本セッションでは,新しい数学的機能を中心にご紹介します。

 [数量関係,図形関係,数学T〜V,AC,微分積分,Workshop,両者対応]

A-4

半田 真(東京女学館中学校・高等学校

距離センサーを用いた教材作成 −歩いてグラフをえがく授業−

昨年度の発表に引き続き、高校生や大学生に向けて「歩いてグラフをえがく授業」を実践しました。その報告等を行います。

[数量関係,数学T,U,数学教育,Workshop,初心者]

B-1

中澤房紀(鶴見大学,Naoco Inc. 小森恒雄(Naoco Inc.

データ収集を体験する

無償のデータ収集用ソフト・アプリ(Graphical Analysis)Bluetooth接続できるセンサで、データ収集が容易にできるようになりました。Graphical Analysisは、Windowsパソコン, Mac, iOS Devices(iPad, iPhoneなど), Android Devices, Chromebookなどに日本語で対応しており、理科でも数学でも使用できます。ここでは、歩いてグラフを描く、センサ・カートを使った運動のデータ、単振り子のデータ、温度の冷めるデータ、光合成のデータ、光のデータ、紫外線のデータ、色の識別データなどグループ単位で実際に収集します。

[数学と科学の融合,物理,生物, Workshop,両者対応]

B-2

健太郎(埼玉県立狭山緑陽高校)

データ収集機LabQuest2G-Suiteとの連携

オフライン環境においてもLabQuest2のアドホックネットワーク機能を活用することで、タブレットやスマートフォン端末でもそのネットワークによってデータ収集することができます。その機能を活用し、CSVファイルへ出力することで、その他のプラットフォームとの連携が可能になります。今回はGoogle for Education G-Suiteと連携させ、スプレッドシートに出力させてみます。Google for Educationの使用にはオンライン環境が求められますが、昨今の教育環境においてはタブレット活用のためにオンライン環境が整い始めています。このような環境下での授業展開について、皆さんと一緒に検討したいと思います。  

[数学T, Workshop,初心者]

B-3

中澤房紀(鶴見大学,Naoco Inc.

数学的確率と統計的確率 〜「理数探求」の取っ掛かりに〜

条件付確率(モンティホールジレンマ)を、同様に確からしさをもとに計算で求める数学的確率と、統計から判断する統計的確率で扱います。この講座では参加者が一緒になって統計データをとり、それを基に確率分布を作っていきます。高校数学では基本的に数学的確率を扱いますが、身近な生活に関わる保険などが統計的確率を基に設計されていることを知ることは、数学の有用さを知る上でも大切です。

[数学U,V,B,C,Workshop,両者対応]

B-4

中澤房紀(鶴見大学,Naoco Inc.

ボールバンスから出発する数学 〜「理数探求」の取っ掛かりに〜

ボールバンスで収集したデータを扱います。さて、このデータからいくつの数学が見えてくるでしょうか。誰もが気がつく2次関数、指数関数……。一般化することの大切さと因数分解、回帰、行列などなど多くの数学に発展させていくことができます。

[数学T,V,C,Workshop,両者対応]

C-1

上床孝樹(愛媛大学附属高校)

総合学科の理数数学探究  〜STEAM教育と大学入学共通テストの一端を目指して〜

本校では,学校設定科目「理数数学探究」を実施しており探究活動に関する実践を行っている。今年度は、愛媛県の伝統工芸品「姫てまり」を題材にSTEAM教育と大学入学共通テストの一考察を行った。長期での研究となっているため、発表は途中経過となるがその一端を紹介したい。

[数学T,V,数学と科学の融合,発表形式,初心者]

C-2

勢子公男(東京理科大学)

オイラーの公式を使ってみよう!!   TI-Nspire CX CASで複素数を使ってみた−

数多くある数学の公式の中でも、複素数を表現するオイラーの公式は実に不思議で面白いものである。これを使うことによりいろいろな計算ができる。しかし、手計算と電卓計算では結果の表れ方が違ってくることも多々起きる。この違いが、また次なる興味と意欲を掻き立てる。参加された先生方と一緒に楽しんでみたいと思う。使用する機能は、本当に基本的な事だけを使います。

[Workshop,両者対応]

C-3

河合伸昭(山陽女子中学・高等学校)

最速降下曲線をみちびく  〜ヨハン・ベルヌーイの発想で高校生にもわかるように〜

最速降下曲線は図形的にはサイクロイドであることは知られていて、サイクロイドは数学Vの教科書にも載せられている。しかし、その導出は、現在では変分法を用いて導かれ、変分法を学習していれば簡単に計算できるが、高校生には理解できないものとなっている。しかし、最初にヨハン・ベルヌーが導いたときは、光の屈折の原理のアナロジーから導いており、それは高校生にも理解でき、かつ現在では、受験のテクニックとみなされている公式・技法が活用されていた。それを教材化してみたのが今回の発表である。

[数学V,数学と科学の融合,微分積分,発表形式,両者対応]

C-4

牧下英世(芝浦工業大学工学部)  秋山壮太(芝浦工業大学大学院生)

累円の作図問題と二次曲線付加法による解法の提案について

与えられた円や直線等に接する円を扱う問題は、江戸時代の和算でよくみられる。ここでは、累円を二次曲線付加法によって作図する手法を提案する。

[数学C,数学と科学の融合,数学教育,発表形式,両者対応]

   

 

第12回 関数グラフアートカンファレンス  作品発表と表彰式

生徒が関数を使って描いた作品についてプレゼンテーションを行います。

主催:関数グラフアートコンテスト運営委員会 事務局 (福井工業高等専門学校)

月 25日(日)

A-1

勢子公男(東京理科大学)

TI-Nspire CX CASで線形代数を!!  −手計算の煩わしさと電卓計算の不慣れさを比べる−

行列の計算は、計算量が多く煩雑であることを痛感させられた経験は誰しもがお持ちであろう。ここでは、行列計算と基本変形、行列式計算などを参加された先生方と一緒に操作してみたいと思う。何かを感じられていただけたら幸いである。                                        

 [線形代数,Workshop,両者対応]

A-2

坪川武弘(福井工業高等専門学校(非常勤)

オーストラリアの昨年の入試問題に挑戦

ビィクトリア州(オーストラリア)の高校卒業次の認定試験は,日本の大学入試問題と数学的内容はよく似ています.ただ違うのは,2時間の試験ではCAS付きのグラフ電卓などが必須であることです.昨年度201811月に実施された試験問題を見てみましょう.

[数学T,U,V,A,B,C,数学と科学の融合,微分積分,線形代数,Workshop,両者対応]

A-3

坪川武弘(福井工業高等専門学校(非常勤)

行列で遊ぶ (分解,分解,分解)

グラフ電卓を用いて行列の演算を行うのはとても楽です.線形代数の教科書に書いてあることも実際に計算して確認しながら進めます.今回はSVD(特異値分解)というよく用いられている手法をTI-Nspire CASで体験してみましょう.

[数学T,U,A,B,線形代数,Workshop,両者対応]

A-4

勢子公男(東京理科大学)

TI-Nspire CX CASで微分積分を!!  −手計算と電卓計算から考えてみよう−

LabQuest2とタブレットやスマートフォンなどのモバイル端末を接続し、いろいろなデータ収集を実践してみたいと思います。その上で、参加者の皆さんとで教材の作成や活用方法について意見交換をしたいと思います。

[数学と科学の融合,その他,Workshop,初心者]

B-1

坪川武弘, 柳原祐治, 井之上和代, 山田哲也, 相場大佑(福井工業高等専門学校 数学科・応用数学科)

グラフ電卓初心者講座(2) グラフ描画編

グラフ電卓TI-Nspire CASは,豊富なグラフ描画の機能を持っています.グラフを用いて,授業内容の確認や勉学の支援,様々な探求活動に用いることができます.電卓TI-Nspire CASを全く触ったことがない方,少しだけ使っておられる方を対象に一緒に使って楽しんでください.iPad版でも同じように使えます.

 [数量関係,図形関係,数量と図形の融合,数学T〜V,A,C,物理,微分積分,線形代数,物理,数学教育,物理教育,Workshop,初心者]

B-2

坪川武弘, 柳原祐治, 井之上和代, 山田哲也, 相場大佑(福井工業高等専門学校 数学科・応用数学科)

グラフ電卓初心者講座(1) 数式処理編

グラフ電卓TI-Nspire CASは,優れた数式処理の機能を持っています.授業内容の確認や勉学の支援,様々な探求活動に用いることができます.電卓TI-Nspire CASを全く触ったことがない方,少しだけ使っておられる方を対象に一緒に使って楽しんでください.iPad版でも同じように使えます.
[
数量関係,数学T〜V,A,C,数学と科学の融合,微分積分,線形代数,数学教育,物理教育,Workshop,初心者]

B-3

佐藤克行(神奈川大学附属中高等学校)

Vernierセンサーを用いた物理実験ワークショップ

Vernier cartをはじめとするセンサーを使用して、実験講習を行います。物理の力学の導入から始めていきます。センサーを用いる事で、生徒主体で実験をさせ、短時間でトライ&エラーを繰り返し、本質に近づいていくことができます。物体の動きを分析し、それをグラフ化し、式で表すという流れをテンポよくまとめていきます。

[数学と科学の融合,物理,Workshop,両者対応]

B-4

中澤房紀(鶴見大学,Naoco Inc.

太陽光発電−昼の時間−  〜「理数探求」の取っ掛かりに〜

青森県と愛媛県でSSH,SPPの授業で扱った内容を紹介します。太陽光発電をテーマに青森、東京、松山、那覇の昼の時間データを解析します。理科と数学の融合で、数学的には、三角関数、回帰、積分の領域を含みます。ここでは、数値を解析する中で地域の違い、共通性を理解し、太陽光発電に影響を及ぼす要因を議論していきます。そこで生まれた疑問は次へのステップになります。太陽パネルの素材や仕組み、宇宙へと興味を広げてください。

[数学と科学の融合,Workshop,両者対応]

C-1

大川尚輝(小林聖心女子学院小学校)

小学校から広げるCabriを使った図形の世界

12年間の一貫教育の中で、小学校で幾何分野の強化を目指しました。算数から数学へ繋がる幾何分野のアプローチを小中高教員で研究し、独自にカリキュラム化。小学校6年生での実践を発表させていただきます。算数・数学、単元の枠にとらわれずに、興味を持てる題材として独自に問題を作成しました。授業ではクローゼットの動きや、お宝さがしなど身近なものや、興味を持てるものの中に数学的な思考を見出し、「探究」することをメインに授業を構成しました。中高数学へのステップとして、小学校でどんな力を身に着けたらスムーズに進められるのか。是非、ご意見アドバイスを頂けたらありがたいです。

[発表形式,両者対応]

C-2

佐々木健治,徳永 徹(久留米大学附設高等学校)

Cabri 3Dを用いた入試問題の研究

中学、高校、大学を問わず、空間図形の問題にはイメージしにくいものが散在する。生徒から質問されたときなど、Cabri3Dで描画して色々な角度から見せてやると「なるほど、そうなってるのか」と言ってもらえることがある。そのような入試問題を何問か紹介する。

[図形関係,数学T,V,B,発表形式,両者対応]

C-3

梅野善雄(元一関工業高等専門学校)

TI-Nspireによるタンチョウの個体数変化の解析

国の特別天然記念物に指定されている「タンチョウ」は,1952年以降から個体数調査が行われており,自然界の生物としてはかなり正確な個体数が把握されている.そのデータをもとに,TI-Nspireを用いて,タンチョウの個体数の変化について会場の皆さんと解析していきたい.なお,このデータを発掘して教材に仕上げたのは元京都橘大学教授・小寺隆幸氏である.四則計算のできる電卓機能があれば,中学生でも解析可能な内容になっている.

                        [数学と科学の融合,生物,数学教育,Workshop,両者対応]

 

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