T^3Japan第10回年会 プログラム詳細

2006年8月11日〜12日  神奈川・洗足学園中学校・高等学校

                       

 

8月11日(土)

A

授業者:長水 壽寛(福井工業高等専門学校)

生   徒:洗足学園高校1年生

          「因数分解でテクノロジーを使ってみたら……」

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因数分解で,テクノロジーを使って探究します。同じような式の因数分解の結果から,生徒自らが規則性を見つけ,一般化し,証明する形で進めます。

 

B

 

授業者:河合 伸昭(岡山市立岡山後楽館高校)

生   徒:洗足学園高校2年生

          「作ってみよう!あなただけの対数表」  〜お仕着せでない数学を目指して〜

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対数表はどうやって作られたのか知っていますか?教科書の裏の対数表はどうやって計算したのでしょう?実は,対数は近代科学・微積分の成立と深い関わりを持っています。指数・対数を天下りの公式の高校版百升計算としないためにも,対数表作成にチャレンジしてみましょう。

 

A-1

一松 信(T3Japan代表)  「鏡の中の世界」

2枚鏡を合わせるとその像が意外な様相を呈する。これは,サンフランシスコの科学館で見た話です。

[数学と科学の融合/発表形式/両者対応]

A-2 坪川武弘(福井工業高等専門学校)     「オーストラリアにおける数式処理機能の利用」

ヴィクトリア州(オーストラリア)では,2006年度より数式処理機能(CAS)を用いた数学教育を400高校中50校にまで拡大した.教科書の整備,高校卒業認定試験での新たな試みなど意欲あふれる取り組みとなっている。この概要を報告する。

[一般/発表形式/両者対応]

A-3 公庄庸三(清風高校)    「二項定理はこのようにして発見された」

異なる3つの学校の異なる学年(中学生,高校生)に同じ「式の展開」をtechnologyで行った。観察と想像力と生徒の発表が調和し,それぞれ全く異なるアイデアで二項定理が完成する様子を話します。         

[数学V/発表形式/両者対応]

B-1 福井高専 数学科・応用数学科  「グラフ電卓基礎講座@ TI-89,Voyageでグラフを描く」

TI-89,Voyageを用いて関数のグラフを描きます。初めてグラフ電卓に触れる方もいろいろなグラフが描けるようになります。

[Workshop/初心者]

B-2

福井高専 数学科・応用数学科  「グラフ電卓基礎講座@ TI-89,Voyageで数式処理を使う」

TI-89,Voyageを用いて数式処理を行います。初めてグラフ電卓に触れる方も変数や数式が扱えるようになります。

[Workshop/初心者]

B-3 渡辺信(東海大学)    「数学は演繹から帰納へ」

数学教育ではすでに出来上がった「定理」を教える,知識伝達が中心課題である。そして,数学を学ぶことは演繹的な方法で教えられたとおりのことをまねしていくとできた感じになる。この方式では数学の授業では自己主張ができないと言う文系学生にとって数学のおもしろくないことの一つは「自分の考えを表現できない」ことにあると言う興味深い事柄がアンケートに書かれていた。そこで,数学をより帰納的なものにしたならば,もっと興味があるのではなかろうか。演繹的な方法で知識の伝達に中心を置くことを改め,帰納的に知識を創造することを重視したらどんな数学教育になるかを考えたい。この教育の可能性はtechnologyによってなされるのではなかろうか。

[発表形式/両者対応]

C-1

河合 伸昭(岡山市立岡山後楽館高校)  

                                        「eの導入 1/xの積分を探る」〜そして対数は,元々自然対数だった〜

前回の大阪大会の発表を改良したものである。数学Vでの難所の一つ,唐突で天下りな印象を受けるeの導入について,グラフ電卓の機能を活用し,1/xの積分から,発見的に学習できるように教材を工夫してみた。そして,対数の元々の「掛け算を足し算に変換する」という点から見直すと,自然対数は,まさに自然なものであることを再発見できる点が,前回からの改良点である。      

[数学V/Workshop/両者対応/数学が得意]

C-2

末廣 聡(岡山県立備前緑陽高等学校)    「「行列」の授業実践報告〜線形計画法と道順問題〜」

モンタナ州で使用されている統合数学の「行列」の内容は,日本の行列の内容と比較して,非常に実際的であり,「行列」演算の良さを知るには格好の教材といえる。本発表ではそれらの教材の紹介をすると共に,本校での授業実践を報告する。

[数学C,線形代数/Workshop/両者対応]

D-1

川谷亮治(福井大学)・高田直人(長野県駒ヶ根工業高校)

                       「ロボット工作教室      −あなたのプログラムでロボットが動く!−」

簡単な自律移動ロボットを作り,それをグラフ電卓で動かしてみましょう。といっても難しいことはまったくありません。ちょっとしたプログラムを作ることができれば誰でも動かせます。TI-89 もしくは Voyage200 を使いますので,持っている方はご持参ください。ない方もご心配なく。当日お貸しします。作ったロボットはお持ち帰りいただく予定です。

[制御工学/Workshop/両者対応]

D-2

中谷 実伸(福井工業高等専門学校)

「テクノロジーを用いた数学教育の実践報告  TI-connectの全端末への導入〜」

福井高専では昨年度の機種更新で,情報処理センターの全端末を入れ替えた。それに伴い,グラフ電卓とPCを繋ぐソフトウェア「TI-connect」を全端末に導入した。それを活用した授業の実践例を報告する。        

[一般/発表形式/両者対応]

E-1

片岡 啓(大阪府立吹田高等学校 全日制)  「普段の授業にチョイト持ち込むグラフ電卓」

普段の授業にほんの少し活動を付け加えることで豊かな学習が可能になるような「手軽に使えるグラフ電卓の活用例」をホームページhttp://www.asahi-net.or.jp/~jz4k-ktok/index.htmlに掲載しています。その中から実際にいくつかをやってみます。

[数量関係,数学U,数学V/Workshop/両者対応]

E-2

勢子 公男(練馬区立光が丘第一中学校)    「(中学1年生からの)座標,グラフで遊んでみよう!」

関数とグラフの考え方や見方の第一歩として,比例・反比例の学習を手始めに,1次関数,2乗に比例する関数など中学校で学習する関数を中心にその実践報告とその後の展望を考える。特に,教材提示を通して,生徒にプレゼンする?ためのグラフ電卓の基本操作とちょっとした小技を体験して戴きながら,参加された先生方と一緒に数学学習を考えていきたい。

[数量関係/Workshop/初心者/数学が苦手]

F-1

宇津野 仁(清風中学校・高等学校)    Cabriを使って図形のイメージ作り」

「PCで図形ソフトなんて使って授業なんかしたら生徒の想像力を退化させるだけだ!頭の中でイメージを膨らませるからこそ意味がある!」恥ずかしながら,T^3に出会うまでの小生の数学感の1つでした。巷では数々の誤解を生じているtechnologyですが,このworkshopではそれらの誤解を完全に取り去っていただけるものと確信します。題材は実際の入試問題(高校入試・大学入試)を使います。紙と鉛筆だけの世界の中で解答できなかった生徒が,Cabriを用いることによって解き始めるキッケを自ら見つけられるということを体験していただければ幸いです。

 [中学校数量関係/図形関係/大学入試/Workshop/両者対応]

F-2

林頌(東京都立翔陽高等学校)   「図形の動的なイメージによって培われる視点」

図形ソフトCabriを使い三平方の定理の証明の図を作図します。Cabriを使うことによって図形の動的なイメージが湧き,「特殊と一般」の関係や,「対」の関係をとらえやすくなります。自力で50の証明を考えてみませんか?

[図形関係,数学A/Workshop/両者対応]

 

 

   

[全体会] <会場:小講堂>

 

会場校校長挨拶  前田隆芳(洗足学園中学校・高等学校 校長)

講演:「計算量の問題 −ハノイの塔の棒を一本増やしたら―」 一松 信(T3Japan代表,京都大学名誉教授)

講演:「T3活動の今後の発展のために」 公庄庸三(清風学園数学教育研究所所長)

              

8月12日(土)

A

授業者:宇津野 仁(清風中学校・高等学校)

生   徒:洗足学園高校1年生

           「素数の謎にせまる」

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voyage200の操作を1つ使います。HOME画面のF2-1-factorだけです。この1つの操作のみで自然数を素因数分解します。そこから何が見えてくるか?生徒たちはどんなことを発見するか?授業前の今は何も分かりませんし,発表の内容も予想できません。シナリオは生徒たちが作ってくれるでしょう。
さて,どんな授業になるのかなぁ〜?楽しみ,楽しみ……。

 

B

 

授業者:阿蘇和寿(石川工業高等専門学校)

生   徒:洗足学園高校2年生

           「見て納得,作って感動の三角関数のグラフ」

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グラフ電卓を初めて使う高校2年生を対象とした公開授業です。基本的な三角関数のグラフのまとめから,そのバリエーションや応用まで,グラフを実際に見ることで納得したり,自分で作って殻日に感動したり,といった経験をして欲しいと思っています。

A-1

石川理雄(愛知教育大学附属高等学校)   「「代数学の基本定理」をビジュアルに証明しよう」

複素数は美しく豊かな世界です。グラフ電卓を活用して,複素数の世界を遊び,「代数学の基本定理」の証明を紹介します。子どもたちに数学の楽しさを伝えるためには,教師が「数学を楽しむ」ことが大切と思います。

  [数学U/Workshop/両者対応]

A-2

杉山 真澄(東京女子大学)     「華麗なる不等式の世界」

不等式を苦手とする声を聞くたびに,こんなに華麗な世界を知らないなんてもったいないな,と思っています。是非その世界を味わっていただきたいと題材を揃えています。

[数量と図形の融合,数学T,数学U,数学V,微分積分/Workshop/両者対応]

A-3

公庄庸三(清風高校)   「5人集まればガウスになる」

1/(1+x2)1から0まで定積分する教科書の例題から出発して,複素積分,複素数の絶対値,2iなど生徒達のアイデアと努力でとんでもないところまで進んでしまった。これは生徒の頭脳とtechnologyの合作が天才の仕事に迫る事実の報告である。

[数量関係,図形関係,数学T,数学A/発表形式/両者対応]

B-1

馬場博史(千里国際学園中等部高等部)  

               「グラフ電卓で極限に近づく  〜生徒全員がグラフ電卓を持つ学校の実践報告数学V編〜」

本校では中1から高3まで生徒全員がグラフ電卓を持ち,日常的にさまざまな場面で使用しています。今回はいろいろな数列や関数の極限をグラフ電卓で確認します。

[数学V/発表形式/両者対応]

B-2

飯田洋市(諏訪東京理科大学経営情報学部)    「数式を立てることでわかること」

わたしたちの身のまわりは,電気製品であふれている。ところでこのような電気製品は,どのような仕組みで動いているのだろうか。実は電気は数式で制御されているのだ。今回はRCL直列回路(物理U)を紹介し,その仕組みを2階常微分方程式であらわし,さらにそれを解いてみる。この解をグラフ化することで,決定的な事実が明らかとなる。

[数学T,数学U,物理/Workshop/両者対応]

B-3

渡辺信(東海大学)   「三角関数の楽しい定義理解」

三角関数は工学系の授業では非常に重要な関数であり,アメリカでは高校での授業科目の名前にもなっています。しかし,日本ではあまり理解されていません。そこで,何を知って欲しいかを考えた時に,きちんと定義を知っていること,周上を動きに対して直線運動に変わることを,で理解してもらうと良いのではないかと思います。テクノロジーの活用によって数学がおもしろく,楽しくなる例を紹介します。  

[数学T/発表形式/両者対応]

C-1

渡辺信(東海大学)  「こんなところに問題が・・・・・・」

分数1/nを小数に直した時にいろいろなパターンが現れます。その一つ一つを丁寧に見ていくと,どのようにして解決したら良いか分からない問題があることに気が付きました。そして,数学の問題はいたるところにあることがわかった気がします。問題を解決すると言うよりは,問題の存在に気が付くことの楽しさを語ります

[Workshop/両者対応]

C-2

福井高専 数学科・応用数学科  「グラフ電卓基礎講座B TI-89,Voyageでデータ収集」

TI-89,Voyageとセンサー類を用いてデータの収集と分析を行います。初めてグラフ電卓に触れる方もデータの取り込みができるようになります。           

[Workshop/初心者]

C-3

中込雄治(東京都立翔陽高等学校)   「多様な解法を引き出す方法とCabri

「解法は1つでそれを覚えるのが数学の学習だ」という閉塞的な学習観を払拭するためには,多様な解法が存在することと,その多様な解法を引き出す方法を示すことが必要です。基本的な図形問題を題材にどのようにすれば多様な解法が引き出せるか,またそのときCabriがどうのよな効果を発揮するかを考えます。

[図形関係,数学A/発表形式/初心者/数学が苦手]

D-1

相馬 誠(青森県立三本木高等学校)    「SPP 実施報告 〜青森県の取り組み〜」

平成16年度,青森県立五戸学校(前任校)は,「SPP 研究者招へい講座」を県内で初めて実施した。【17年度,18年度も実施】今回は,五戸高校で行った授業内容や受講した生徒の状況などについて紹介したい。

[数学T,数学U,数学V/発表形式/両者対応]

D-2

蕪木 慎也(洗足学園中学高等学校)   「テクノロジーを気軽に使ってみませんか?」

1時間テクノロジーを使いっぱなしや,テクノロジーを駆使しながら探究活動をするのも大切ですが,そこまでこらなくても,気軽に使うだけで授業は変わります。グラフ電卓やPCソフトを教師や生徒が使いこなさなくても,気軽に扱えって行った授業を紹介します。テクノロジー初心者でもすぐに授業できると思います。

[数量関係,図形関係,数学T,数学A/Workshop/両者対応]

D-3

半田 真(東京女学館中学・高等学校)   n次関数のグラフと不等式」

高等学校「数学U」において「2次方程式の解の公式」,「解と係数の関係」,因数定理」,「高次方程式」と学んできた流れの中で,高次方程式を扱うのに3次以上の整関数のグラフや高次不等式に対する扱いが抜けている。そこで,発展的な内容としてn次の整関数のグラフや不等式を考えるヒントとして3次,4次の整関数のグラフや不等式を指導することを試みた。

[数学T,数学U/発表形式/両者対応]

E-1

勢子 公男(練馬区 立光が丘第一中学校)  「(中学1年生からの)方程式をあれこれ遊ぼう!!」

代入と式の値,等式の性質を中心に,中学1年生で学ぶ1次方程式を手始めに方程式の学習の実践報告とその後の展望を考える。生徒がグラフ電卓を操作するときの混乱や,教師の指導の工夫などを,グラフ電卓の基本操作とちょっとした小技を体験して戴きながらこれからの数学学習を参加された先生方と一緒に考えてみたい。  [数量関係/Workshop/初心者/数学が苦手]

E-2

河合 伸昭(岡山市立岡山後楽館高等学校)

「きみはプトレマイオスを超えられるか  −三角関数表を作ってみよう−」

今も昔も高校生の苦手な三角関数の公式。ここでは,公式を導きながら,その公式とグラフ電卓の機能を活用して,1゜きざみの三角関数表を作成する教材を作ってみました。これによって,ただ暗記するだけの味気のない三角関数の諸公式が生き生きとしたものになります。  

[数学T,数学U/Workshop/両者対応]

E-3

菊池千秋(茨城県・高萩市 立高萩中学校)  「関数の概念を身につける数学科学習の指導のあり方」

関数の学習の導入場面やまとめ深化の場面で,数量の変化と対応の様子を実験を通して調べ,グラフ電卓を用いて,グラフに表し,いろいろな関数事例の学習や関数かどうか判定したりする学習を行った。    

[中・数量関係/発表形式/両者対応]

F-1

小森恒雄(Naoco)  「3次元幾何ソフト・Cabri3D入門」

平面幾何を扱う幾何ソフト・カブリは世界的に有名ですが,昨年その3次元版 Cabri3Dが世に出ました。2次元同様大変面白いソフトで,急他多面体などが簡単に作図できます。ここでは,立方体の切断を作図して,機能の一端を一緒に体験します。

[図形関係/Workshop/両者対応]

F-2

片岡 啓(大阪府立吹田高等学校 全日制)  「二円に接する円の作図から〜カブリの操作入門〜」

二円に接する円,二円に引く接線の長さが等しい点の軌跡,三円に接する円など,意外に奥の深い作図・軌跡問題をカブリと手作業で考察します。「シュタイナーチェーン」という連続する接円の問題にもつながります。

[図形関係,数学A/Workshop/両者対応]

F-3

福井高専 数学科・応用数学科

「グラフ電卓基礎講座C   TI-89,Voyageとパソコンとのデータ交換」

TI-89,Voyageとパソコンとをケーブルで接続してデータの交換を行います.初めてグラフ電卓に触れる方もパソコンに電卓の画面を取り込んだり,パソコンとデータのやり取りをしたりできるようになります。

[Workshop/初心者]

 

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