T^3Japan第11回年会 プログラム詳細

2007年8月4日〜5日  兵庫県・甲南高等学校・中学校

                       

 

8月4日(土)

A

授業者:宇津野 仁(小林聖心女子学院中・高等学校)

生   徒:兵庫県立明石清水高等学校2年生

          「対数の歴史を覗く」

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定義された数学を覚えるだけではツマラナイ…。結果が書かれている公式を導けてもドキドキしない……。何故,このように定義されたのか?何故,この公式が生まれてきたのか?ワクワクする旅に出ましょう!デロリアンに乗って,全員で16世紀後半の大航海時代にタイムスリップです。必然性の中から生まれた数学の一部を授業を受けてくれた生徒達が感じ取ってくれればと思います。

 

B

 

授業者:片岡 啓(大阪府立吹田高等学校)

生   徒:兵庫県立明石清水高等学校2年生

        「指数関数の探究」

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TI-83などを用い,代表的な指数関数(例えばy=2x)のグラフを,すでに習った整関数(1次,2次,……)のグラフと比較することを通じて,指数関数の変化の特徴を学びます。指数関数と2次関数のグラフの交点の個数などを調べます。いろいろな指数関数について一人ひとりに調べてもらい,レポートを作成し,それを発表してもらおうと思います。

 

C

 

授業者:長水壽寛(福井工業高等専門学校)

生   徒:兵庫県立明石清水高等学校2年生

          「3次関数のグラフを調べよう」

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3次関数のグラフの概形が描けることを前提に,3次関数のグラフの対称点(変曲点)を見つけることを目標にして,微分や展開公式など使って授業を進めます。生徒たちの様子(発見)によっては,目標が変わるかもしれません。3次関数のグラフとその導関数(2次関数)のグラフを一緒に描かせることでいろんなことが見えてきます。

 

A-1

一松 信(T3Japan代表)  「グラフ電卓の活用経験」

数検などの問題作成に当たってグラフ電卓を補助に使用して検討したことが何回かある。その経験の一例を述べる。(なお,本年の米国T3などの体験も言及する)

[数V,数C,高専大学の微分積分/発表形式/両者対応]

A-2 花野勝幸(甲南高等学校・中学校)     「電卓を電卓として 〜 二項定理 〜」

二項定理を理解する上では,数多くの式の展開をする。この計算をグラフ電卓を利用して行わせ,その結果から考えられる規則を類推する。もちろん,その理由を理解するためには展開のシステムを見直す必要があるので,今回は単なる計算のための電卓として利用する。

[数学A/発表形式/初心者/数学が苦手]

B-1 松木貴司(北海道教育大学函館校理科教育講座)  「大学入門物理向けのセンサーを利用した各種実験」

各種センサー(力センサー,磁気センサー,音センサー,UVセンサー)を利用しての,学部学生向けの入門物理実験について北海道教育大学函館校の例を紹介する。

[物理,物理教育/発表形式/両者対応]

B-2 武藤寿彰(静岡市立高松中学校)    「整数の和の法則を発見・証明しよう−1人1台のVoyageを使って−」

1人1台のVoyageを使って「整数の和の法則」を理解・発見・証明させた中学校2年生の授業の紹介。Voyageを使うことで,多くの生徒が主体的に法則の理解・発見に取り組んだ。条件を変えたいくつかの法則を生徒が発見・確認し,文字式が無限にある全ての整数を表していることや,文字式で証明する良さを実感する授業にすることができた。

[数量関係/発表形式/両者対応]

C-1

河合伸昭(岡山市立岡山後楽館高等学校)

「三角関数表を作ってみよう 〜君はプトレマイオス(トレミー)を超えられるか〜」

今から約二千年前,プトレマイオスの「アルマゲスト」には,六桁の三角関数表が載せられていたという。これは先人達の想像を絶する努力の結晶である。このプトレマイオス以上の精度の三角関数表の作成に,グラフ電卓の助けを借りて,普通の高校生が挑戦しようというのが,この発表のテーマである。特に,最後1゜の値を求めるために,角の三等分に挑戦することになり,ここは色々なアプローチが期待される。

[数学U/Workshop/両者対応]

D-1 福井高専・数学科・応用数学科(福井工業高等専門学校)

「グラフ電卓初心者講座(1)  数式処理,グラフ描画編」

グラフ電卓をはじめてさわる方,あまり扱ったことのない方のための入門講座です。グラフ電卓についての予備知識は必要ありません。いっしょに機械を操作しながら,数式処理やグラフ描画を体験してみましょう。           

[Workshop/初心者]

E-1

公庄庸三(海陽中等教育学校)       「惑星117の数学(海陽中等教育学校中1の教材より)」

中学1年生に行った「合同式」の授業をwork shopを入れながら再現してみます。

 [数量関係/その他/Workshop/両者対応]

F-1

井上 高志(東京理科大学大学院理数教育専攻修士2年)      「Cabri3Dで「多面体」を探究しよう!」

多面体,特に正多面体は数学の様々な分野の発展に関わりをもち,さらには数学以外の分野にも関わりをもつ図形である。そこで,Cabri3Dの多面体ツールおよび多面体の切断や展開図の機能などを活用し,正多面体ならびに準正多面体などの作図を通して図形的性質を探究する。そして,球面正多面体などへの拡張を考える。(なお,USB(512MB以上推奨)をお持ちいただくと,作図した図を持ち帰っていただくことができます。

[図形関係,数学教育/Workshop/初心者]

8月5日(日)

講演:「テクノロジー活用の意義と韓国の現状」 

 

金 富允 (釜山大学校 師範大学 数学教育科)

            (釜山大学校 科学英才教育院 院長)

 

A-1

阿蘇和寿(石川高等専門学校)      xn-1の因数分解の数理」

探究「xn-1を整数の範囲で因数分解せよ」という課題を与えたとき,教師として準備しておかなければならない数学的背景について考えたい。これはよく知られたことではあるが,生徒の発見に即して解説するときの注意についても話し合いたい。

[数学教育/発表形式/両者対応]

A-2

坪川武弘(福井工業高等専門学校)     「ビィクトリア州(オーストラリア)でのテクノロジー利用の動向」

不等式を苦手とする声を聞くたびに,こんなに華麗な世界を知らないなんてもったいないな,と思っています。是非その世界を味わっていただきたいと題材を揃えています。

[数量と図形の融合,数学T,数学U,数学V,微分積分/Workshop/両者対応]

A-3

石川理雄(愛知教育大学附属高等学校)  「グラフ電卓を活用した実験数学 〜自ら考える学びを目指して〜」

太陽光を一点に集光する反射鏡やパラボラアンテナは,放物線を軸のまわりに回転させて得られる曲面です。この放物線を二次曲線ではなく,グラフ電卓voyage200を活用して,二次関数のグラフとして捉えた実験数学の授業「太陽光を集めよう」を紹介します。 また,愛知教育大学で行った授業をまとめたブックレット「グラフ電卓がひらく数学教育ー自ら考え,数学を楽しむー」(愛知教育大学出版会)の紹介もする予定です。

[数学T,数学C/Workshop/両者対応]

B-1

飯田洋市(諏訪東京理科大学経営情報学部)     「賃貸住宅情報誌を活用した統計教育の実践」

社会で求められる数学のひとつに統計があります。本授業では,実際の賃貸住宅情報誌からのデータをもとに,グラフ電卓というテクノロジーを活用し,家賃を統計的に分析します。家賃の相場を知ることで,お得な物件を探しましょう。必要な統計の知識(回帰,残差,無相関など)のおさらいと,グラフ電卓の処理操作の説明は丁寧にいたします。後半はExcelを利用した場合についてデモを行います。 

[その他/Workshop/両者対応]

B-2

山根英司(関西学院大学理工学部)    「大学入試問題と電卓」

大学入試問題の多くは教材としてもすぐれている(少なくともそうなるように努力して作っている)。この発表では, Voyage 200を使っていくつかの大学入試問題について考察する。

[数学V,数学B/Workshop/両者対応/数学が得意]

B-3

小森恒雄(Naoco Inc.)    「なぜ判別式≧0 でよいのか? −グラフ電卓を使ったより本質的な理解−」

aが任意の実数をとるとき,2次関数yx2axa21のグラフの存在範囲は?」という問題は,aの判別式≧0 により解を得られます。しかし,なぜ判別式≧0? グラフ電卓を使って解明し,発展を考えます。        

[数学T/Workshop/初心者]

B-4

河合伸昭(岡山市立岡山後楽館高等学校)

               「eの導入 1/xの積分を探る 〜そして対数は元々自然対数だった〜」

「ただ,明快なだけに余計,eの謎が深まっていくようにも思える。だいたい自然対数と名付けておきながら,いったいどのあたりが自然だと言えるのだろう。」「博士の愛した数式」 小川洋子 より      高校生が,このeを自然な対数の底と納得できるよう,グラフ電卓を用いて工夫したのがこの発表です。このT3で,参加の皆さんの意見を頂きながら改良を重ねてきました。                         

[数学V/発表形式/両者対応]

C-1

河合伸昭(岡山市立岡山後楽館高等学校)       「ティコの秘密の計算法  〜そしてフーリエ変換へ〜」

対数の発明前,人々は十桁もの精度の天文計算をどのように行っていたのでしょう?ネィピアは,ティコ・ブラーエの天文台で,その計算法を教わり,対数の発明のヒントを得たと言うことです。それは,三角関数の積和公式を用いて,積を和に変換するというものでした。受験のための公式のように受け取られている積和公式が,数百年前は,実用計算に活用されていたのです。さらにこの原理を積分計算に応用すれば,フーリエ変換の理解への道が開けるのです。

[数学U,数学V/Workshop/両者対応]

C-2

片岡 啓(大阪府立吹田高校 全日制)   「円錐の断面の展開図を描いてみよう」

円柱を斜めに切ったとき,側面の展開図は三角関数を描きます。では円錐なら? 極座標とグラフ電卓を使って実際の展開図を描き,円錐を作成してみたいと思います。

[数学C/Workshop/両者対応/どちらでも,数学が得意]

C-3

中澤房紀(Naoco Inc./東日本国際大学)        「SSHSPP指定校で行った授業の教材を紹介」

ここ数年でSSHSPP指定校で行った授業の教材を紹介する。平行移動(1次関数から2次関数へ),身近な事象を構造的に捉えてそれを数式化して将来を予測する(金利<指数関数,等比数列>,住宅ローン<漸化式>,食物連鎖<漸化式の連立>,マーケティング(販売量の予測)<行列の利用>),風邪大流行<成長曲線,微分方程式>。また,視覚化において媒介変数を早い段階で導入することのメリットも示したい。

[高校数学/ Workshop/両者]

D-1

福井高専・数学科・応用数学科(福井工業高等専門学校)

                         「グラフ電卓初心者講座(2)  データ収集と解析手法編」

グラフ電卓をはじめてさわる方,あまり扱ったことのない方のための入門講座です。グラフ電卓についての予備知識は必要ありません。いっしょに機械を操作しながら,ボールを落とす実験などでデータの収集とその解析を体験してみましょう。

[Workshop/初心者]

D-2

小寺 裕(東大寺学園)           「江戸の和算家・会田安明の驚くべきテクノロジー」

和算家会田安明の定理を紹介し,その証明と応用を,現代のテクノロジーと江戸のテクノロジーを比較しながら論じる。

[数量と図形の融合,数学U,数学B/発表形式/両者対応]

D-3

川谷亮治,高田直人(福井大学,長野県駒ヶ根工業高校)

                                        「TI-Basicに挑戦−あなたのプログラムでロボットが動く!−」

昨年度の第10回年会ではロボット工作教室を行いました。今年は,そのロボットをグラフ電卓がもつ TI-Basic で動かすプログラムの作成に挑戦します。昨年参加していなくても大丈夫。ロボットは用意します。また,ここで学ぶプログラミング技法は決してロボット専用ではなく,一般的に使えます。TI-Basic を理解することで,グラフ電卓がより便利な道具に進化するでしょう。     

[数学と科学の融合,その他/Workshop/両者対応]

E-1

勢子公男(東京都豊島区立明豊中学校)        「グラフアートコンテストに向けた生徒の活動報告」

公立中学校で,2年生と3年生で選択数学の授業の一環としてグラフアートコンテストに作品を出品しました。中学では通常,比例・反比例・1次関数・yax2のグラフ程度の学習で終わってしまいますが,生徒はいろいろ工夫するものです。作品ができあがるまでに生徒はどのような活動をしたのかを報告します。

[数量関係/発表形式/両者対応]

E-2

梅野善雄(一関工業高等専門学校)              「媒介変数を利用したグラフアートの作成」

媒介変数を利用したグラフの描き方の説明をしながら,そのような関数のグラフをつなぎ合わせて作る「グラフアート」の作成方法について説明する。

[数学C,微分積分/Workshop/初心者]

E-3

馬場博史(千里国際学園中等部高等部)          xxについて “私の愛情は本物か”」

xxの値を,xが負の有理数の場合,負の無理数の場合,虚数の場合を考え,さらに虚数の虚数乗が実数になるための条件を考察した。                   

[高校数学/発表形式/両者対応]

E-4

宇津野 仁(小林聖心女子学院中学校・高等学校)       「2年連続グラフアート最優秀賞受賞までの軌跡」

生徒がグラフアートに参加する作品を作るまでに行った小生の授業を実際に体験して頂き,その後,彼らの力作(応募作品)をご披露いたします。具体的には……グラフの書き方から始まって,こちらが提示する「お題」通りのシルエットを絶対値だけを用いて作っていただきます。そんでもって授業はそれだけなのに,最優秀賞を2年連続で頂いた作品をはじめ,試行錯誤を繰り返して作った生徒の作品の数々を紹介します。

[数量関係,数学T,数学V,数学C/Workshop/初心者]

F-1

山野正善(大阪府立住吉高等学校)           「お手軽数学探究ツール Derive6 で高校数学」

Voyage200の計算エンジンとしても使われているDeriveですが,パソコン用ならではの強力なインターフェース,機能を使った活用法について考えます。高校数学を題材として,教材のプレゼンテーションや数学探究のTipsを紹介し,ワークショップで皆さんと一緒に操作をしながら考えたいと思います。ペンとノートの様に使えるDeriveを目指します。

[高校数学/Workshop/初心者]

F-2

島田静雄(中日本建設コンサルタント非常勤顧問)            「幾何の計算に便利な言語G_Basic

同名の論文は,1987年中等教育でのマイコン利用の国際会議に発表し,また国内でも雑誌マイコンサーキュラ1988に発表済みです。パソコンの環境が大きく変わりましたのでC++で書き直したプログラムの報告です。考え方は,幾何の点・直線・平面などに型を定義し,やや特別な演算子の約束を決め,幾何の計算を代数的に処理してグラフでも図示ができます。全体の操作は,1980年代のマイコン用BASICインタプリタに似ています。この言語の目的は,橋梁の設計で多用される幾何学的な計算のような専門指向ですが,教育利用の可能性が高い。

      [上記以外/発表形式/両者対応]

F-3

小森恒雄(Naoco Inc.)        「平面幾何ソフト・カブリによる作図 −数値ぶんの移動ツールを使って−」

TI-89,Voyageとパソコンとをケーブルで接続してデータの交換を行います.初めてグラフ電卓に触れる方もパソコンに電卓の画面を取り込んだり,パソコンとデータのやり取りをしたりできるようになります。

[Workshop/初心者]

 

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