T^3Japan第14回年会 プログラム詳細

2010年9月18日〜19日  石川県・金沢工業大学、金沢工業高等専門学校

                       

 

月 18日(土)

 

A-1

阿蘇和寿(石川高専),坪川武弘 (福井高専) 

「グラフ電卓初心者コース−数式処理の基礎−」

グラフ電卓を使ってみたい,グラフ電卓とはどんなものか知りたいという方を対象とした講座です。授業等ですでに使っておられる方は,ぜひこの機会に情報交換しましょう。基本操作として,スイッチの入れ方から数式処理の基礎まで行います。                           

[Workshop/初心者]

A-2 阿蘇和寿(石川工業高等専門学校)       「数ナビで見る物理の問題」

物理の問題が扱うのは現実の世界である。物理の問題解決を行ったとき,その解が一体どういうものなのかをどうやって「見る」のでしょうか。扱い慣れた先生ならいざ知らず,習っている生徒や学生たちは,結果を見ずに納得できるものでしょうか。ここではいくつかの例を使って「見る」ことの意義を考えます。      

  [物理,物理教育/発表形式/両者対応]

A-3 梅野善雄(一関工業高等専門学校)      Apps "Study Cards" の使い方と教材の作成」

TI-89titanium voyage200 に付属しているアプリケーションに,選択式問題の提示ツールである "Study Cards" というソフトがある。このアプリケーションの使い方と,その教材の作成方法について解説する。教材はエクセルで作成して転送することができる。英語による問題にはなるが,自己学習できる演習ツールとして利用価値は高いと思われる。

[全分野/Workshop/初心者]

A-4 阿蘇和寿(石川工業高等専門学校)       「関数グラフアートへ向けた新たなる出発」

本校はこれまで継続的に関数グラフアート選手権に参加してきました。楽しみながら関数を扱う機会として得難いものと思っています。今年は1年生を対象に,初めてのグラフアートに挑戦させます。道具として何を与えるか,その教育的効果は何か,など,学生の感想を交えてご報します。                               

 [数学教育/発表形式/両者対応]

B-1

宮田一郎 (福井高専),氏家亮子 (金沢高専)    「グラフ電卓初心者コース−データ収集と利用法−」

初めてグラフ電卓に触られる方でも安心してご参加ください。距離センサーを用いたデータの収集方法と,電卓での利用を実際にグラフ電卓に触れながら進めます。 

                           [Workshop/初心者]

B-2

河合伸昭(岡山市立岡山後楽館高等学校)      「二次関数の導入−韓国の中学生への公開授業から−」

三年前の釜山大学で開催された日韓グラフ電卓研究会での韓国の中学生を相手に行った公開授業をワークショップ形式で再現します。韓国の中学生のレベルが高かったので,内容は高校数学Tの範囲にまで及んでいます。

                         [数量関係,数学T/ Workshop/初心者]

B-3

松木貴司(北海道教育大学人間地域科学課程)   「机から転げ落ちる球の運動」

机の上を転がっている球の速さが小さくなると,机のへりから転がり落ちた後の球の水平成分の速さが大きくなることをフォトゲートなどを使い観測できた。机のへりを中心とした回転運動により,このような現象を生じさせることが確認できた。  

  [物理,物理教育/発表形式/両者対応]

B-4

末廣 聡(岡山県立備前緑陽高等学校)     「高校数学の授業におけるICT活用の現状と授業の将来」

本研究は,グラフ電卓やPC,そして生徒たちが慣れ親しんでいるゲーム端末を授業に導入した事例の実践研究である。授業で用いられるICT機器,特にDSなどの携帯情報端末は生徒の学習活動を規定する。

[数T,U,A, 数学教育/発表形式/両者対応]

C-1

中澤房紀(東日本国際大学)      「グラフ電卓初心者コース−グラフによる視覚化−」

中学校,高等学校の教材をもとに,参加者は生徒になったつもりで一緒にグラフ電卓を触りながらのWorkshopです。道具があることにより授業がどのように変わるかを体験して頂きます。電源ONからのスタート,わからないことがあったらその場で気軽に質問してください。

[Workshop/初心者]

C-2

中澤房紀(東日本国際大学)      「中学校でのテクノロジー活用・アラカルト」

「式」「グラフ」「数表」を行ったり来たり。ある1点を通るグラフと1次関数の平行移動。解の公式を視覚的に理解する(中学校で「大学入試問題を解く」で実践)。資料の整理でのグラフ電卓の活用(ヒストグラム,乱数の発生など)。「100m世界記録保持者ウサイン・ボルトは超人か」では,歴代の世界記録をデータ処理して考察します。

[数量関係/Workshop/両者対応]

C-3

喜田英昭(広島大学附属中・高等学校)

「数学と現実世界を結びつきを体験させる発展型課題学習 −中2数学「一次関数の利用」を題材として−」

数学で学習していることが現実世界の事象と密接に関係していることを体験的に学習する発展型課題学習の教材開発を行う。今回は中2数学の「一次関数の利用」を題材として,水を温めたときの温度変化をデータ収集機を用いて測定し,グラフ電卓voyage200を用いて近似的に分析を行う。さらに,分析結果の考察を発表し,新たな課題を見つけることができるようにしたい。 

[数量関係,数学と科学の融合/発表形式/両者対応]

C-4

勢子公男(東京都豊島区立明豊中学校)

「今,なぜ関数電卓なのか−公立中学校での電卓を利用した数学授業の実践報告−」

関数電卓を使った中学校1年生の授業実践報告である。中学では,負の数,文字式の使用,方程式,関数など算数ではなかった数学的な概念を学習していきます。ここが算数と数学のギャップになるところですが,それ以前に四則計算がうまくできないなど算数の基礎があいまいな生徒が数多く見受けられます。その中で中学以降の数学をどのように展開していけばよいのか?難しい問題ですが,その一つの授業提案を考えてみました。参加の皆様と色々な意見交換ができればと思っています。関数電卓TI-30BXを使用します。

         [数量関係/ Workshop/両者対応]

D-0

安富真一(鈴鹿工業高等専門学校)       「PC上の採点作業」

スキャナーで答案を読み取り、PDF化した上で、PC上で採点することを試みた。その結果快適に採点作業ができることを体験した。採点した結果は赤で採点した部分のみカラープリンターで、元の答案に印字し学生に返却する。また点数の集計部分は自動的に行うようにしたので、採点者は評価にのみ集中することが可能になった。現在、正答率などを出せるように開発を進めている。

[数学 教育/発表形式/両者対応]

D-1

小室久仁雄(清真学園高等学校)       「平面における最短連絡網」

平面における3点の最短連絡網は三角形のフェルマ点を用いて解決する。4点以上の場合はそれほど単純ではないがCabriUを用いると比較的簡単にその候補を求めることができる。その内容を報告する。

[数学U, B,数学と科学の融合/発表形式/両者対応]

 

 

 

講演:「金沢工業大学のきたえる・ほめる・引き出す教育」
〜数理工統合教育と数理リテラシーパスポートによる実践

         青木克比古(金沢工業大学基礎教育部 教授)

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                     金沢工業大学の工学基礎 (数学,物理,化学) 教育は,きたえる教育,ほめる教育,引き出す教育により実践されている。多様化する学生の数学への動機付けや学力の定着化を図るための数理工統合科目をきたえる教育の主柱とし,正課 (授業) と課外の連携による数理リテラシーパスポートプログラムを開発し,『個』に対応したほめる教育,引き出す教育を展開している。その概要,成果などを紹介する。

月 19日(日)

A-1

佐伯昭彦 (鳴門教育大学)

「関数グラフアートの教育的な意義について―教員養成系大学の学生の意見をもとに―」

算数科及び数学科の教員を目指している学部1年生(14名)を対象に関数グラフアートの実践を行った.ここでは,彼らの意見をもとに,関数グラフアートの教育的意義を考察する。 

  [数学教育/発表形式/両者対応]

A-2

山根英司(関西学院大学)     「大学入試問題による実験数学」

初めて見る問題でも,いろいろ実験するうちに様子が分かってきます。実験のための計算は手間がかかるので,テクノロジーを有効に活用するのが得です。大学入試問題を題材として,このような実験数学の話をします。 

                                [数V,C/発表形式/両者対応]

A-3

中澤房紀(東日本国際大学)          「新しい学習指導要領に対応した統計の授業と教材」

新しい学習指導要領では,中学校でも高校でも今以上に統計が重要視されている。ここでは,グラフ電卓を使った統計の教材案を示し一緒に考えたい。代表値,ヒストグラム,母集団からの無作為抽出,四分位偏差,分散,標準偏差,偏差値,散布図,相関係数,回帰,目的あったデータを生成するなど。                      

 [数T,U/Workshop/両者対応]

B-1

宮田一郎(福井工業高等専門学校)           「データと関数」

熱湯につけた温度センサーを大気中に放置し温度センサーが冷却していく温度データを採取する。グラフ電卓などを十分活用して,数学に現れる関数や知識がこのデータの解析にどのように役に立つかを学生に示す方法を紹介したい。また,数学の知識が深まるにつれてデータを解析する方法も精度をまし,隠れた法則が現れてくる様子も紹介したい。

[数学U,V,数学と科学の融合,物理,微積/Workshop/初心者]

B-2

河合伸昭(岡山市立岡山後楽館高等学校)

「数学Vでの対数・eの導入−岡山後楽館数学Vの授業 実況ライブ」

数学Vでの授業をワークショップ形式で再現・体験していただきます。本校の数学Vの対数・指数の微分・積分では数学Uでの対数の復習・対数の意義から入っていきます。悠長なようですがグラフ電卓を活用すれば,45時間程度(本校では100分授業2コマ)eの導入・対数の微分まで実感し,理解できるようになります。

[数U,V,微積/ Workshop/両者対応]

C-1

中澤房紀(東日本国際大学)       SPPSSHで行った授業の教材を紹介」

地球温暖化を出発点にSPPで行ったいくつかの授業を紹介します。

@「森を守る」を題材に漸化式の導入,収束と発散。同じことを繰り返すという視点で住宅ローンに展開。A太陽熱発電の仕組みを考える。太陽光を1点に集めることを紙で作業し,それをもとに数値化してモデリングする。焦点により関数が決定できそうだという規則性を見つけそれを証明する。B青森,松山,沖縄の昼の時間をプロットしてグラフ化。周期関数であることを実感させ,各地域の昼の時間を三角関数でモデリング。年間の昼の時間を求めるために積分の概念を導入する。その他。

[数量関係,数学T,U,V,,/Workshop/両者対応]

C-2

 氏家亮子(金沢工業高等専門学校)

「グラフ電卓とデータ収集機を使った総合学習SPPでの授業実践報告−」

サイエンス・パートナーシップ・プロジェクトの支援のもと,「単振り子」をテーマとして取り上げ,中学生を対象とした数学・物理・工学を織り交ぜた講座を実施した。本発表では,講座の実践報告をするとともに,実際に使用した教材(テキスト)を用いて参加者とともに実際に実験・解析活動を行なう。   

[数学と科学の融合,数学教育,物理教育/ Workshop/両者対応]

C-3

相馬 誠(青森県立三本木高等学校)      「数学を視覚化する」

これまでに行ってきた授業実践を振り返りながら,「数学を視覚化」することの有用性について考えてみたいと思います。

[数学T,U,V/発表形式/両者対応]

D-1

金田和豊(名古屋市立汐路中学校)     「作図ソフトを利用したいろいろな軌跡についての探究」

三角形の重心や内心といった点について,ある一定の動かし方で三角形を動かしたとき,これらの点が描く軌跡を調べた。軌跡を予想し,実験し,結果を考察するといった実験科学としての数学学習の1つの在り方を示す。      

[図形関係,数学と科学の融合,数学C/発表形式/両者対応]

D-2

小森恒雄(Naoco Inc.)      「Cabri 3Dを使って立体感覚を養成 −大学入試立体問題の攻略に最適−」

空間図形の四面体は平面幾何の三角形に対応する図形です。三角形の5(内心,外心,重心など)に対応する四面体の5心の作図は紙の上では厄介なものですが,Cabri 3Dを使えば簡単に作図できます。ここでは,その作図の一端を紹介します(一般に四面体の垂心は存在しません)。また,Cabri 3D で立体感覚を養えば,大学入試の立体問題を攻略にも役立ちます。                              

[図形関係/Workshop/両者対応]

 

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