T3
Japan
Representative |
一松 信 (京都大学名誉教授) |
Conference
Leader |
大西俊弘
(龍谷大学) |
Program Organizer |
小寺隆幸 (京都橘大学) |
Program
Organizer |
宇津野 仁 (
小林聖心女子学院) |
WorldwideT3
Coordinator |
渡辺 信 (東海大学) |
T3
Japan
Administrator |
中澤房紀 (Naoco
Inc./東日本国際大学) |
2009年3月に高等学校の次期学習指導要領が告示されましたが、数学科全体としてみれば教える内容にそれほど大きな変化はありませんでした。このように、高校段階までに教えられる数学の内容は、時代とともに変わることはあまりありません。しかし、だからといって数学を教える方法も旧来のままで果たして良いのでしょうか.社会が変化し、生徒を取り巻く状況も年々変化していく中で、より良い数学教育の方法がもっと模索されるべきだと思います。近年の技術革新には目覚ましいものがあり、学校でも高機能な機器を低コストで使えるようになってきました。「Technologyを活用すれば、視覚に訴える授業、生徒参加型の授業など、従来とは異なった授業展開が可能となるのではないか」,「今まで以上に数学の美しさや必要性を実感させるような授業が出来るのではないか」、そのような問題意識を共有する数学や理科の教員が中心になって、毎年夏にT^3Japan年会を開催してきました。
T^3Japan年会では,毎年多くの先生方がTechnologyを利用した授業実践を報告し、Work
Shopも行っています。官製の研修会とは一味違い、指導助言者もいない自由な雰囲気の中で、皆で数学を楽しみながら、教育方法を学び合っています。数学教育におけるTechnologyの利用というと,「経験がないためよく分からない」とおっしゃる方もありますが、そんなに敷居が高いものではないことは、実際に見てやってみるとご理解いただけると思います。まさに「習うより慣れろ」です。T^3Japan年会では、機器の原理・仕組みなどを学ぶ会合ではありません。あくまで、数学・理科を教えるため・学ぶための道具としてTechnologyをどのように活用するかについて学びます。「多くの人に数学の楽しさ・良さを今以上に体感してもらいたい」,「数学が実生活に役立つことを生徒に伝えたい」、そんな願いの実現のためにTechnologyを用いるのです。
さて、新学習指導要領では、高等学校数学科の目標は次のようになっています。
「数学的活動を通して,数学における基本的な概念や原理・法則の体系的な理解を深め,事象を数学的に考察し表現する能力を高め,創造性の基礎を培うとともに,数学のよさを認識し,それらを積極的に活用して数学的論拠に基づいて判断する態度を育てる。」
この方針を受け、新「数学T」・「数学A」には「課題学習」が設けられ、そこで何を教えるかは教員に任されることになりました。今まで受験指導中心の授業をしてきた先生方からは、「数学的活動って何?」、「数学を積極的に活用できるの?」、「課題学習って何をすればいいの?」といった質問や戸惑いの声が出てきそうな気がします。それらの疑問に対するヒントや回答が、T^3Japan年会には沢山あります。
今年のT^3 Japan
第13回年会は,京都で8月8日(土)・9日(日)の両日開催されます.8月上旬には算数・数学教育の全国大会が同じ京都市内で開催されますので、この機会にご家族旅行等も兼ねてぜひ京都においで下さい。会場となる龍谷大学は、今年創立370周年を迎える大学で「進取と伝統」を学是としていますので、新しい時代の数学教育を開拓していくことはまさに「進取」に相応しいと考えております。学舎のある深草の地は、小野小町と深草少将の物語でも知られる歴史の街であり、伏見稲荷大社などを巡る散策路「深草トレイル」も整備されています。早朝から「深草トレイル」を散策し、昼間はT^3Japan年会に参加、夕方からは「伏見の酒蔵」周辺で喉を潤す、等々、観光スポットも多数あります。
今年も多くの先生方が、数学教育に対する思いを熱く語り、素晴らしい実践例を発表して下さることでしょう。今までTechnologyの利用にあまり関心がなかった先生方には、この機会にぜひ一度ご参加いただき,Technologyを利用した数学教育を体感していただきたいと願っています.また従来からご参加いただいている先生方には、ご同僚や若手の先生方を多数誘ってご参加していただければと思います.
それでは、8月に京都・伏見の深草の地でお待ちしております.皆さんの熱気で、ただでさえ暑い夏の京都をもっと「熱く」しましょう。
龍谷大学 理工学部 数理情報学科 准教授 大西俊弘
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