T3
Japan
Representative |
一松 信 (京都大学名誉教授) |
Conference
Leader |
池田文男
(東京理科大学) |
Program Organizer |
半田 真 (東京女学館中学・高等学校) |
Program
Organizer |
勢子公男 (東京都練馬区立大泉学園中学校) |
WorldwideT3
Coordinator |
渡辺 信 (生涯学習数学研究所) |
T3
Japan
Administrator |
中澤房紀 (Naoco
Inc./東日本国際大学) |
新しい学習指導要領の検討がなされているようです.この学習指導要領では,アクティブ・ラーニングがキーワードとして重要視されていると聞いています.
文部科学省の見解によるとアクティブ・ラーニングとは,
「教員による一方向的な講義形式の教育とは異なり,学修者の能動的な学修への参加を取り入れた教授・学習法の総称.学修者が能動的に学修することによって,認知的,倫理的,社会的能力,教養,知識,経験を含めた汎用的能力の育成を図る.発見学習,問題解決学習,体験学習,調査学習等が含まれるが,教室内でのグループ・ディスカッション,ディベート,グループ・ワーク等も有効なアクティブ・ラーニングの方法である.」
と述べています.いままでの授業で実施されていた講義型の授業を,学修者の積極的な学習を促す授業に改革する活動といえます.
アクティブ・ラーニングの始まりは,アメリカの大学教育の改革から生まれました.大学の大衆化によって,幅広い学力の学生が大学に入学するようになりました.その学生たちの教育では従来の講義型の授業を実施するだけでは成果をあげることが難しくなり,学生たちが主体的な学ぶスタイルに移行する必要がありました.そのため,講義を聴くと言う活動に加えて,書く,話す,発表するなどのよりアクティブな学びを取り入れました.
上に述べた文部省の見解も,アメリカの大学教育の改革の方針に従っていますが,教育現場の受け取り方は,特に後半の部分に書かれている「発見学習,問題解決学習,体験学習,調査学習等が含まれるが,教室内でのグループ・ディスカッション,ディベート,グループ・ワーク等も有効なアクティブ・ラーニングの方法である.」
との方法論に議論が集中しているようで,グループ学習をすることがアクティブ・ラーニングの授業であるとの誤解があるように感じています.
アクティブ・ラーニングの授業を実施するためには,生徒たちに予備知識を習得することや関連の文献を調査することなどの予備学習が必要となり,そのような活動を生徒たちに課することになります.
生徒たちの予備学習を支援するためには,テクノロジーの使用が十分に役立つのではないでしょうか.学習内容に書かれていることの確認や,関連する知識を得ることに有効だと考えています.
今年度のT^3Japanは,東京理科大学数学教育研究会共催で8月27日(土),28日(日)の2日間東京理科大学神楽坂キャンパスで開催します.テクノロジーを活用した数学教育の研究発表を通して,参加の皆様と活発な議論をしたいと考えています.この大会がアクティブ・ラーニングとテクノロジーの関連を密接にするような提案を検討する機会になることを望んでいます.多数の皆様のご参加をお待ちしています.
東京理科大学理学部数学科嘱託教授
東京理科大学数学教育研究会会長
池 田 文 男
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