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T3Japan 第4回年会(東京大会)のご案内

2000年8月7日〜9日
 
会場: 東京新宿・工学院大学

テクノロジーを使った数学・科学教育
について考えよう!

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国際シンポジウム「世界で進む数学教育改革」
Workshop「講習会」 6月〜8月

The 4th T3 Japan Annual Meeting
T3 Japan Representative 一松 信(京都大学名誉教授)
Conference Leader 佐藤義隆(東京工業高等専門学校)
Conference Leader 武山洋二郎(東京都立羽田高等学校)
Program Organizer 木村文恵 (Aoba-Japan Internatinal School)
Worldwide T3 Coordinator 渡邊 信(東海大学)

T3 Japan

Administrator

中澤房紀(Naoco Inc.)

 

 

  米国ではこの3月,第12回の年大会がテキサス州ダラス市で開催されました。27ケ国約60名の招待参加者を含めて,3,000名を越える参加者で大盛況でした。年々この会も国際会議の様相を呈し数学教育においてグラフ電卓が世界に広がりを見せているのを実感します。日本のT3は世界の中ではそれほど遅いスタートではありませんでした。しかし,今回の年会においてT3の創設者の一人であるオハイオ州立大学のDr. Bert Waits教授のセッション「How are graphing calculators in Asia, Europe and Latin America?」のパネラーは,中国2名,イタリア,フランス,ドイツ,ブラジルの先生でした。彼の予定では韓国もこの中に入っていたようです。残念ながら,世界の中では日本は後進国と判断されたようです。いわゆる“蚊帳の外”でした。

米国では,NCTMスタンダードの喚起,高校生の30%以上が個人所有,大学の単位が高校で取得できるAP Calculusの講座ではグラフ電卓の浸透率は95%にも及びます。高校でグラフ電卓を使った世代が大学に進学し大学の教育も変わらざるを得なくなっているようです。フランスでは国家試験でグラフ電卓の使用が認められています。日本と同じような大学受験のある韓国でも教科書に“グラフ電卓”という言葉が登場します。中国では文部省が導入に向けて準備中であり,今年のT3には10名もの官僚・先生を送り込んできました。

 さて,我が日本では?

子供,親たちが感じている数学をみてみましょう。第3回国際数学・理科教育調査(TIMSS<1995>の中に「数学に対する意識」の項目があります。5問中2問は以下のようなもので,数値は,「強くそう思う」と「そう思う」に対する反応率の合計です。

                                               国際平均値

 A:数学の勉強は:  46%    41%     70%     65%

        楽しい

 B:数学は生活で: 71%     75%     93%     92%

   大切だ

1998-1999年に行われた追調査の速報で日本の値はそれぞれ,46%38% 71%62%と大幅に低下しています。一方第3回IEA調査の数学では,日本はシンガポール,韓国についで3位であり,日本の数学教育は成功しているという評価もあります。前者を“心で感じる数学”とするならば,後者は“記号操作の数学”である,とは言い過ぎでしょうか。しかしながらこの結果は,子供たちの心が満たされていない現状で浮き彫りになっています。また,昨年の830日の朝日新聞に掲載されたベネッセ教育研究所調査で,中学3年生の親を対象として「中学で学ぶ必要性について」聞いたところ,その順位は,国語,英語,道徳・学級活動,社会,部活,数学,体育,理科,技術・家庭科,音楽,美術である。子供でばかりか親もいわゆる“理数離れ”ですよ,と言いたいのか,新聞の見出しは「数学・理科が部活より下」というものである。

 我々教師は,このような現状にどう対処すべきでしょうか。ご自身の数学の授業はどうでしょう。以前と何か変わったことがあるでしょうか。少し内容の並べ替えがあり,少し内容が平易になり,少し新しい内容も加わりましたが,チョークと黒板と先生のしゃべりが授業の中心であることにはまったく変わりません。どうもこのような授業は時代に対応できていないのかもしれません。このままの状況ではいくら教育課程をいじくりまわしても理数離れを防ぐことはできないようです。

現実に生徒の反応の中で日々の授業を持っている現場の教師(米国ではClassroom Teacherと呼びます)の心の奥から湧きあがる教育への熱意こそがこれに対応できる唯一の力ではないかと思います。そうです,私たち教師が変わらなければいけないのです。

米国の例に見られるように,グラフ電卓の活用は,教師から生徒への一方通行的な知識伝達型の計算力を重視した教育を,生徒が主体的に学習し思考力を重視した教育への転換であるようです。これは数学教育にとっては歴史的な変化であり,まさに「数学教育の革命」です。日本においてもこれ以上の先延ばしは許されません。

 インターネットを始めとする情報社会の進展とともに「デジタル・デバイド」という用語を見聞きします。パソコン,インターネット,グラフ電卓もしかり,このようなものを使う環境にあるかないかで相当な格差が生じるというものです。T3の創設者の一人であるオハイオ州立大学のDr. Frank Demana教授は,米国内においてグラフ電卓を持てない人(親の経済力,市の財政が弱いなどの理由により)に如何にそれを使う機会を与えるかということに奔放されていると聞きます。事実,2つの州がすべての学生の機会均等を考え州予算で全生徒に持たせるところも現れました。

一方日本では………,あれこれ言うまえに,

  とにかく触ってみましょう。実践を聞きましょう。発表しましょう。人を指さすことなく自分に指さし,新しい数学教育はどうあるべきかを考えるために。あなたが,一歩踏み出せば,あとは生徒の方が夢中になるでしょうから。テクノロジーの時代を生きる生徒ですから。

  この会は,他の日本の数学教育の学会などとは違い,はっきりした組織体があるわけではありません。前述した両教授の考えに賛同する人々が,数学教育におけるテクノロジーの利用に向けて,自分たちの実践を報告,公表し,生徒にとって有用な算数・数学教育法を開発するための会です。

  司会者も指導助言者もいません。発表者が自分で自分の持ち時間を自由に運営していきます。テクノロジーを用いる教育がメインですから,ワークショップ形式が多く,参加者が実験に加わり自分がテクノロジーの効果を体験できることが大きな特徴でしょう。参加された先生方がまわりにいらっしゃれば,是非,その評判と感想に耳を傾けてください。

 

 

お問い合せ

T3Japan事務局
〒190-0011
東京都立川市高松町3-14-11 Naoco Inc.内
TEL:042-521-1830 FAX:042-521-1831
E-mail: jimukyoku@t3japan.gr.jp

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